受け継がれているレシピとともに、常に進化する「中華おせち」

神に供える特別な料理として

「おせち」とは、季節の節目に当たる「節(せち)」に由来する言葉。中国の「五節供(ごせちく・一年の節目に邪気を払う行事)」で神様に供えるもの、という意味があります。やがて五節供は日本に伝わり、平安時代の朝廷では「五節会(ごせちえ)」の儀式を行い、特別な料理である「御節供(おせちく)」を神様に供えていました。江戸時代からは庶民にも浸透し、五穀豊穣や家族の幸せを祈る伝統の食べ物となりました。

家族の幸せを願う縁起物

中華料理には日本のようなおせち文化はありませんが、旧正月である春節には幸運を呼ぶとされる食べ物を用意します。例えば、毎年のよい収穫を象徴する「魚料理」、富をもたらすといわれる「餃子」、長寿の願いを込めた「長寿麺」、収入や身分が上がる縁起物の「おもち」などなど。食材や食べ方に差異はあれど、家族みんなが集まって食卓を囲み、新しい一年の無事を祈念する心は同じ。たくさんの願いや思いを込めた料理=おせちは、年末年始に欠かせない料理なんです。

中華四川料理の味と料理人の技を駆使

重慶飯店のおせちは、別館オープンに伴う厨房や料理人の拡大もあり、「年末年始も重慶飯店の味を」というお客様の声に応えて販売をはじめました。
「中華おせちという比較的新しいカテゴリーの中でも、これまで培ってきた技術をしっかりと受け継ぎ、四川料理ならではの味付け・調理法を駆使して飽きのこない内容に仕上げています。和のおせちと同様に黒豆や数の子など縁起物の素材を使用していますが、一見同じようでも和とはまったく違います。また、中華料理は熱々でお召し上がりいただくのがレストランでの基本ですが、これはあくまでもおせち料理。冷めてもおいしいことが大前提で、その上で温めればさらにおいしいということを常に想定しながら作っています」(重慶飯店 木暮浩三)

重慶飯店ならではの名菜づくし

中華おせちに詰めた伝統の味や料理人の技の一部をご紹介します。

【辣醤牛肉】牛肉を甜麺醤と豆板醤をあわせた甘味噌で味付け。手早く一気に仕上げる醤爆(ジャンバオ)というプロの技法で甘さと香りを際立たせます。

【海老の甘辛炒り煮】高温の油で揚げることによって、殻ごと香ばしくバリバリ食べられるように。

【蛸の山椒煮】甘醤油ベースで軟らかく煮た後、麻辣の味をのせていく辛味のきいた一品。

【数の子の黄金漬】紹興酒に漬けて香り良く、黄金色に仕上げます。

【黒豆煮(山椒風味)】花椒オイルで風味付け。豆の甘さにピリリとした風味がアクセント。

【海老のチリソース煮】火を通しすぎると海老が縮まって硬くなってしまうため、中がまだ生の状態になるよう油通し。最後にチリソースをあわせてちょうどよく火が通る、重慶飯店伝統の味。

【クラゲの冷菜】よくある甘酢味ではなく醤油味に。クラゲは味の染み方が個体によって違うため、それを見極めて味を入れていくのが技。

【叉焼】人気商品だった叉焼が6年ぶりに復活。スライスからサイコロ切りにしてしっとり感を増しました。

※おせちの種類によってメニュー内容は異なります。

中華と洋食の豪華饗宴も

2026年は毎年好評の中華おせち一段重・二段重に加え、重慶飯店 総料理長 陳 一明とローズホテル横浜 洋食料理長 山川俊樹監修の中華・洋食おせち二段重がバージョンアップして登場。地元神奈川県の南足柄産相州牛や高座豚、佐島の金目鯛をはじめ、オシェトラキャビアやトリュフを使った贅沢な洋食を一の重に詰め合わせました。二の重には子持ち昆布やタラバ蟹、フカヒレや燕の巣、鮑、伊勢海老などを中華の名菜に。新年の門出を祝うひとときに、重慶飯店&ローズホテル横浜のおせちをぜひご堪能ください。

※おせちの詳細はHPをご確認ください。