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洋食総料理長 石井亮介シェフ インタビュー

生産者と料理人が共鳴する、未来への取り組み

「食」を通じたSDGs

「多くのホテルのオープニングに携わってきたキャリアの中で、特に外資系のホテルでは『食』だけでなく、ホテル全体で環境問題、人権問題、労働環境、持続可能な食材の提供について取り組みが進んでいました。

アメニティやストローのプラスティック問題などもそのひとつ。そこで影響を受け、自身でも勉強し、行動できることを進めてきました。ローズホテル横浜全体の今後の課題として、『食』がSDGsを考えるきっかけになればと思っています」

地産地消の食材と生産者の思い

「農園や牛舎などの現地へ赴き、生産者の方と直接お話をする中で、食材の品質や状態、味を確認し、こだわりやその思いを耳にしています。20年近くおつきあいのある三浦の青木農園さんは、食材にストレスがかからないよう、 夏場は気温が低い夜明け前に畑へ出て、土が冷たいうちに収穫をしています。

温度が上がると野菜の糖質が逃げておいしさを損ない、冷たいところから暑い外気に触れると野菜が汗をかいてストレスがかかってしまうから。そんな生産者の思いがあるから『朝採れ』のおいしさには意味がある。そこをきちんと理解して、お客様に伝えることは料理人の義務でもあります」

人にも生き物にも優しさを

「アニマルウェルフェアという取り組みがあります。家畜にも痛さ、悲しみを感じる脳があるため、過度なストレスをかけない飼育の仕方にフォーカスしようというのが世界の流れです。草の上を自由に走り回り、大自然の水が飲める、家畜の生涯を幸福なものに、という考え方のもと育てられているのが南足柄の相州牛。神奈川県ブランドの中で唯一、放牧されている和牛種です。

持続可能な養殖の魚を扱うASC認証業者から仕入れる魚介同様、人に優しく、生き物にも優しい持続可能な素材をこれからも使用していきます」

素材を知り、100%活かすシェフの技

「野菜はそのままで十分おいしいので、あまりいじりたくないのが本音。人参や大根、カブなどはそのまま食べられるし、栄養分が逃げるので皮は剝きません。

廃棄ロスの観点からも、どんな食材も丸ごと使用するというのが基本です。無駄な油を使った加熱調理もしません。野菜を活かすときはスチームかアルミホイルに包んで丸焼きに。

意味もなく無駄にバターやオリーブオイルで炒めることもしないですね。何もしなくてもおいしい素材に余計なことはしない。ハーブと香辛料を使い、旨味を引き立たせる一つまみの塩があればそれだけで十分です」

お客様に伝えたいこと

「日本で一番の問題は廃棄食材の多さ。年間500万トンの廃棄ロスがあるといわれています。

ローズホテル横浜ではバイキング形式の朝食やランチを提供しているため、農林水産省推奨食品ロス削減運動『ロスのん』に加盟し、食べ残しや取り過ぎを控える告知をしています。

私たち一人ひとりが『残したらもったいない』を実践するだけで、食材廃棄問題の裏側にある生産者の思い、貧困問題、環境問題等に大きく貢献できると思っています」